歯肉退縮
gingival retraction
歯肉退縮)とは、歯茎が下がることです。
【歯肉退縮の原因】
歯肉退縮の主な原因には、以下のようなものがあります。
・誤った歯磨き方法により、歯茎が傷付く
・歯科治療(特に歯肉を切るような外科的治療)
・歯周病
・咬合(噛み合わせ)
・加齢
【歯肉退縮の問題点】
・審美性(見た目)の問題
・歯根が露出することで、根面カリエス(根っこの虫歯)になりやすくなる
【歯肉退縮の治療法】
歯肉退縮の治療法にはいくつかの方法がありますが、基本的には下がってしまった歯ぐきを元に戻すことは非常に困難です。
ただ、絶対に元に戻らない・改善しないというわけでもありませんので、歯肉退縮が気になる方は、まずは担当の歯医者さんに十分に相談してみましょう。
一応、どのような治療法があるのかということもご紹介しておきます。
(歯肉退縮の原因によって、治療法は変わってきます)
・遊離歯肉移植、結合組織移植
他の部位(主に口蓋)から取ってきた歯肉や結合組織を、歯肉退縮の部分に貼り付けます。
ただ、そのまましっかりと定着させることはなかなか難しいようです。
・咬合調整
咬合(噛み合わせ)が歯肉退縮の原因と考えられる場合には、噛み合わせを調整することで、歯肉退縮が改善する場合もあります。
・正しい歯磨き方法を覚える
正しい歯磨き方法を行うことによって、歯肉退縮が改善する場合もあります。その際、歯茎の回復を促進させると言われている歯磨き粉もありますので、それを併用するのも良いでしょう。
・しばらく様子を見る
治療直後の場合には、しばらく様子を見ることによって「クリーピング」という歯茎の自然回復が起こる場合があります。
・その他
上記が歯肉退縮の際の一般的な治療法ですが、他にも裏技的(?)な方法として、エクストルージョンで歯と歯茎を引っ張りあげたり、歯肉弁側方移動術といって隣の歯の歯茎を歯肉退縮の部分に移動させる方法などがあります。
ただし、これらの方法は患者さん側の条件や歯科医師のテクニックが大きく関係するため、誰にでも適用できるものではありませんので、ご注意下さい。