上顎前突
maxillary protrusion、prognathism、prognathia
上顎前突とは、上顎が下顎よりも前方に出ている歯並びのことで、いわゆる出っ歯のことです。
上顎前突は、歯列不正の1つです。
上顎前突には次の3タイプがあり、それぞれ原因・治療法が異なります。
顎骨の大きさに問題は無いが、前歯が出ているタイプ
顎骨の大きさに問題が無いのに前歯が出ているタイプの上顎前突の場合には、何か前歯を前方に押す力が加わっていることが考えられます。
つまり、「指しゃぶり」や「下唇を噛む」、「舌で前歯を押す」などの悪い癖があることが考えられます。
この場合の治療法としては、これらの悪い癖を改善させることが最も重要になります。
上顎が大きいタイプ
上顎が大きいことにより、上顎前突になっているタイプです。
原因としては遺伝的なものが考えられますが、この場合の治療はかなり困難です。
子供の時期であればヘッドギアなどの装置を使って上顎の成長をある程度抑制することも可能ですが、成人になってから治療をするとなると、外科的に顎骨を切って治療する外科矯正が必要となることもあります。
下顎が小さいタイプ
下顎が小さいことにより、見かけ上上顎前突になっているタイプです。
原因としては遺伝的なものや、子供の時の食生活、悪習癖、口呼吸などが考えられます。
子供の時期であればFKOなどの装置を使ったり、スルメなどの食物をよく噛んで食べさせることで下顎の成長をある程度促進することも可能ですが、成人になってから治療をするとなると、外科的に顎骨を切って治療をする外科矯正や、オトガイの部分にシリコンを入れたりする治療が必要になることもあります。
⇒参考:矯正歯科(歯列矯正)
⇒参考:歯列不正(悪い歯並び)の分類