根分岐部病変
furcation involvement
根分岐部病変とは、歯周病や虫歯、パーフォレーションなどが原因で根分岐部に細菌感染が起こることによって生じる病気です。
根分岐部病変は重篤度によって、次のように分類されます。
LindheとNymanの分類 (1975)
1度 (初期) : 根分岐部にプローブ(探針)は入るが、歯の幅の1/3以内
2度 (部分期) : 根分岐部にプローブ(探針)が1/3以上入るが、貫通はしない
3度 (全体期) : 根分岐部にプローブ(探針)を入れると、プローブが貫通する
Glickmanの分類 (1958)
1級 : 根分岐部の歯根膜に病変があるが、歯槽骨には病変は無い
2級 : 根分岐部の歯槽骨に部分的破壊があるが、プローブ(探針)は貫通しない
3級 : 根分岐部の歯槽骨が破壊され、プローブ(探針)が貫通するが、歯肉に覆われている
4級 : 根分岐部の歯槽骨が破壊され、プローブ(探針)が貫通し、根分岐部が完全に露出している
根分岐部病変の主な治療法 (LindheとNymanの分類を基準)
[上顎大臼歯]
1度 (初期) : スケーリング・ルートプレーニング
咬合調整
ファーケーションプラスティー(ファルカプラスティー)
GTR法
エムドゲイン
2度 (部分期) : スケーリング・ルートプレーニング
咬合調整
ファーケーションプラスティー(ファルカプラスティー)
ヘミセクション(トライセクション)
GTR法
エムドゲイン
抜歯
※ちなみに、2005年にLindheが日本に来て講演を行った際に、ある先生が直接質問をした時には、上顎2度の根分岐部病変は抜歯すると言っていたそうです。
3度 (全体期) : ほとんど抜歯
[下顎大臼歯]
1度 (初期) : スケーリング・ルートプレーニング
咬合調整
ファーケーションプラスティー(ファルカプラスティー)
GTR法
エムドゲイン
2度 (部分期) : スケーリング・ルートプレーニング
咬合調整
ファーケーションプラスティー(ファルカプラスティー)
ヘミセクション
ルートセパレーション
トンネリング
GTR法
エムドゲイン
抜歯
3度 (全体期) : スケーリング・ルートプレーニング
咬合調整
ヘミセクション
ルートセパレーション
トンネリング
抜歯