掌蹠膿疱症
pustulosis palmoris et plantaris
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは、手のひらや足の裏に多数の膿疱が両側に急に出現し、しばらくするとガサガサになるということを繰り返しながら悪化していく難治性の病気です。
症状が酷い場合には胸肋鎖骨関節や脊椎の関節炎を併発したり(約10%)、胸肋鎖骨骨化症を合併して上胸部の疼痛や運動制限が見られたりすることもあります。
掌蹠膿疱症の詳しい原因は分かっていませんが、膿疱は無菌性であることから、金属アレルギーや、口蓋扁桃、虫歯、歯肉炎などの病巣感染が原因ではないかと考えられています。
特に、歯科治療に用いられるアマルガム、パラジウム、ニッケルなどの金属がアレルゲンとなり、歯科金属アレルギーを引き起こしていることが掌蹠膿疱症の原因となっているのではないかということが歯科界では話題になっています。
【一般的な治療法】
・局所には、ステロイド外用剤やビタミンD3外用剤を使用。
・内服治療としてミノサイクリン系抗生物質やマクロライド系抗生物質を使うこともある。
また、ビタミンA剤(チガソン)の内服を行うこともある。
・紫外線療法を行うこともある。
・ビオチン(ビタミンB7)が関節炎の緩和に有効という報告があり、使用される。
・強い関節炎に対しては、対症療法として非ステロイド系の抗炎症鎮痛薬を使用する。
【歯科的対応】
・歯科金属アレルギーがあればその原因金属などの除去・置換
・化学物質過敏症などがあれば原因となる歯科材料のその患者にとって安全な物への置換
・歯性の病巣感染があるときはその病巣の除去に対しての歯科的治療
・歯周疾患に対しての治療
掌蹠膿疱症の患者さんのお口の中に金属が入っていると外したがる歯科医師が多いですが、掌蹠膿
疱症=金属アレルギーではありませんし、口の中の金属を全て除去すれば確実に掌蹠膿疱症が治るというわけでもないので、歯科だけではなく、皮膚科・内科と
も連携して検査・治療方針を立てていくことが重要です。
【資料提供:おしむら歯科 押村 進 先生】
【歯科相談室】
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