歯軋りとは、上下の歯をギリギリとすり合わせたり、グッと食いしばったりすることを言い、専門用語では「ブラキシズム」と呼ばれます。
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「歯軋り」と言われる行為は、専門的には以下の3つに大別されます。
1.グラインディング
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「ギリギリ」と歯を擦り合わせる歯軋り。
一般的に歯ぎしりと呼ばれているのは、主にこのタイプです。
2.クレンチング
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「ググッ」と上下の歯を強く噛み合わせる歯軋り。
音が出ないので気づかないことも多いですが、これも歯ぎしりの一種です。
3.タッピング
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「カチカチッ」と歯を打ち鳴らす歯軋り。
歯ぎしりの中ではまれなタイプです。
また、歯軋りとは少し違いますが、「TCH」というものも最近注目されています。
ぜひこちらもお読みください。⇒TCH
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- 肩こり、偏頭痛、アゴの疲れ、目の奥の痛みなどの原因となることがある。
- 歯が削れたり、割れたりすることがある。
- 歯科治療で入れたセラミックなどのクラウン(被せ物)が割れることがある。
- 歯周病が進行しやすくなる可能性がある。
- 顎関節症が悪化する可能性がある。
- 横で寝ている人の迷惑になることがある。
- 睡眠時無呼吸症候群との関連性が指摘されている。
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歯軋りは、ストレスを解消するために行われていると考えられています。
そのため、歯ぎしりの最大の原因はストレスだという説が現在最も有力です。
噛み合わせが原因で歯軋りが起こるという話もよく耳にしますが、かみ合わせが歯軋りの原因だという科学的根拠(エビデンス)は無く、現在ではかみ合わせと歯軋りの関連性はほぼ否定されています。
また、歯ぎしりは子供にもよく見られますが、これは歯の生えかわりや骨の発育に必要なものであり、ほとんどの場合自然に治ります。
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歯科で最も良く行われる歯軋りの治療法は「マウスピース」(スプリント)です。 夜寝る時にマウスピースを装着することで歯にかかる負担を軽減させることができます。
マウスピースの値段は歯科医院で購入すると、大体5000円くらいです。
(健康保険が適用適用の場合)
極端に噛み合わせが高すぎる、あるいは低すぎるクラウン(被せ物)等が入っている場合には、それを調整、または作り直しする場合もあります。
ただ、歯軋りの根本的な原因はストレスである可能性が高いので、何らかの方法でストレスを軽減させることが最重要ポイントとなります。
ストレスを軽減させるには自己暗示療法、精神安定剤を使用する方法、漢方を使用する方法などがありますが、普通の歯科医院で行っている所はあまりありません。
これらの治療法は、歯ぎしりの治療に力を入れている一部の歯科医院や、精神科などで行われています。
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保険適用の場合
(3割負担) |
5.000円程度(マウスピースの料金) |
保険外の場合 |
1~100万円程度 |
歯科で最も良く行われる歯軋りの治療法は「ナイトガード」(マウスピース)ですが、これはマウスピースを装着することによって歯を守るというだけではなく、マウスピースを装着することによって安心し、少しでもストレスを軽減させるということも、大きな目的の一つです。
また、歯科医院によっては歯軋り改善のために、、以前歯科治療を行なった部分のやり直しや矯正治療、場合によっては精神安定剤の投与など勧める所もあります。
そのため、歯軋りの治療法・治療費は歯科医院によって非常に大きな差があるというのが現状です。
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本来上下の歯と歯は安静時、接触していないのが正常な状態です。
これを安静位空隙と呼びます(通常2mm前後)。
歯と歯が接触した状態は、常に身体が緊張し神経に異常な信号が送られ、脳に何らかの刺激を与えているのではないかと考えています。
そのことが様々な不定愁訴を誘発しているのではないでしょうか。
さらに接触よりも強くかみしめている場合には、身体はリラックスできず、交感神経が緊張し続けるのではないかと考えています。
まずは口元を弛め、リラックスすることが大切です。
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■ 歯に対して
- 歯がすり減る(ファセット)
- 歯のつけ根にくぼみが出来る(アブフラクション)
- 虫歯では無いのに歯が凍みる
- 詰め物やクラウンが頻繁に取れる
- 歯が割れる
■ 口腔周囲に対して
- 顎関節症の悪化
- 筋肉の痛み
- 頭痛や肩こり、首の痛みなど
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ブラキシズム(歯軋り)の原因ははっきりとはわかっていません。
■ 局所因子・・・咬み合わせが悪い
■ 全身因子・・・精神的ストレスなど
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ブラキシズムは・・・
ある研究データによると成人の80%にあると言われています。
しかも、自覚されている人は10%にも満たないと言われています。
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自然にお口を閉じ、唇が触れている状態(下顎安静位)では、人間の上下の歯は触れていないのが正常です。
以下の状態の時、上下の歯が触れていないかどうかを確認してみてください。
■ お仕事で
- 長時間、人と話をしないで仕事に集中しているとき(特にパソコン関係)
- 通勤で電車に乗っているとき
■ 主婦の方だと
- お料理をしているとき(特に包丁を扱っているとき)
- お掃除をしているとき
■ 趣味で
- 読書をしているとき
- 編み物をしているとき
- プラモデルを作っているとき
- テレビゲームをしているとき
■ スポーツで
■ 日常で
もし、上下の歯が接触しているような場合、咬み締めの傾向にあります。
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- 骨隆起 (下顎舌側、上顎口蓋、上下顎頬側)
- 歯の擦り減り (ファセット)
- マイクロクラック (歯のヒビ)
- ディンプル (歯の溝)
- 楔状欠損
- 頬粘膜の圧痕
- 舌の圧痕
- 咀嚼筋のこわばり
- 肩こりや片頭痛
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頬側骨隆起 (上顎) |
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頬側骨隆起 (下顎) |
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口蓋の骨隆起 |
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下顎舌側の骨隆起 |
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犬歯、小臼歯の擦り減り (ファセット) |
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マイクロクラック (歯のヒビ) |
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大臼歯咬合面のディンプル (溝) |
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犬歯、小臼歯の象牙質露出 |
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頬粘膜の圧痕 |
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舌の圧痕1 |
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舌の圧痕2 |
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- ナイトガードの作成 (市販のものでは無く、歯医者さんで作ってもらいましょう)
- 意識改革 (咬み締めに注意する、頬杖をつく癖を無くすなど)
- 自己暗示 (就寝時に咬み締めない、リラックスしたイメージを持って眠りにつく)
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