マウスピースで顎関節症が治る最大の理由は、「プラシーボ効果」(プラセボ効果:思い込み効果)だと考えられています。
つまり、マウスピースを装着することにより「顎関節症が改善するかも!」と患者さんが思い込むことによって、顎関節症の原因となっていたストレスが軽減され、本当に顎関節症が改善されてしまうということです。
この説を裏付けるデータとして、
・通常のスプリントを装着した場合
・歯の部分を一切覆っていない、口蓋に貼り付けるだけのスプリントを装着した場合
両者を比較すると、顎関節症の改善に全く差は無かったという面白い報告があります。
(どちらも約3割の患者で改善が見られました)
また、
・ダイヤモンドバーで歯を削って、噛み合わせを調整した場合(咬合調整)
・ダイヤモンドの付いていないバーで、歯を削ったふりをした場合
この場合も、両者で顎関節症の改善率に差はありませんでした。
顎関節症の原因にはストレスが関係していることが非常に多いため、このように「思い込み」によってストレスが軽減されることで、症状が改善することが実際によくあります。
逆に、「自分の顎関節症は何をしても治らない」「歯医者さんが信用できない」と思い込んでいるような人は、何をしてもストレスに感じてしまい、顎関節症が悪化⇒さらにストレスを感じる という、悪循環に陥ってしまう可能性もあります。
顎関節症の人は大勢いますし、いつの間にか体が適応して自然に治ってしまうことが大半ですので、信頼できそうな歯医者さんを見つけることができたら、後はあせらずゆっくりと顎関節症を改善させていきましょう。 |